過敏性腸症候群(IBS)
過敏性腸症候群とは
通勤や通学途中、あるいは大事な会議や試験の前に、急におなかが痛くなったり、腹部不快感のためにトイレに駆け込んだ経験はないでしょうか。
もし、こうした症状が続いている様なら、過敏性腸症候群の疑いがあります。
自己判断で、市販の下痢止めや便秘の薬を服用し続けているうちに、取り返しのつかない結果を招くこともあります。
安易に考えず、症状が続く時は必ず医療機関で適切な診断を受けてください。
過敏性腸症候群の病型と症状
腸に炎症や潰瘍などの器質的な疾患(ガンや潰瘍性大腸炎など)が無いにもかかわらず、腹痛や腹部不快感を伴う便通異常が繰り返し起こる疾患で、以下の4タイプに分類されます。
- ①下痢型 「泥状便」「水様便」が多いタイプ
- ②便秘型 「硬い便」「コロコロ便」が多いタイプ
- ③混合型 ①下痢型と②便秘型が混合しているタイプ
- ④その他 上記の何れにも当てはまらないタイプ
多くの場合、ストレスによって症状が誘発され、おなかの症状以外にも、全身性症状や不眠・うつなどの症状が出ることもあります。
- 【おなかの症状】
- 腹痛、下痢、便秘、腹部不快感、腹が張る、残便感、ガス症状(腹がゴロゴロ鳴る)など
- 【精神的症状】
- 不眠、不安感、抑うつなど
- 【全身症状】
- 頭痛、疲れやすい、めまい感、肩こりなど
- 【消化器症状】
- 吐き気、食欲不振など
過敏性腸症候群の治療
過敏性腸症候群は、生命にかかわる疾患ではないので不安になる必要はありませんが、生活の質(QOL)を悪化させてしまう疾患であり、医療機関で適切な治療を受けてQOLを向上させましょう。
- 【ライフスタイルの改善】
- ・三食を決まった時間に摂る
- ・暴飲暴食を避ける
- ・喫煙を控える
- ・十分な休息・睡眠
- ・ストレス解消(散歩、スポーツ、趣味)
- 【薬物療法】
- ・症状にあわせて薬を使用します。
- 【心理療法】
- ・努力し過ぎたり、心配し過ぎたりせずにリラックス生活を送るために医師がアドバイスします。